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高湯温泉

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高湯温泉じゃらん人気温泉地ランキング2021

2020/12/20 | 永山博昭

株式会社リクルートライフスタイルの観光に関する調査研究及び地域振興機関「じゃらんリサーチセンター」は、旅行サイト「じゃらんnet会員」を対象に、温泉地利用に関するアンケートを毎年実施しているが、今年の「じゃらん人気温泉地ランキング2021」が発表された。この調査は本年度で15回目の実施となる。
追伸:「じゃらん全国温泉地満足度ランキング2024」も1位となりました。

今回の調査実施により「全国温泉地満足度ランキング(最近1年間に行ったことがある温泉地のうち「満足した」温泉地)」で高湯温泉は総合部門で第1位を獲得した。
1位:高湯温泉(福島県)
2位:別府温泉郷(大分県)
3位:奥飛騨温泉郷(岐阜県)
ちなみに高湯温泉は今回の2021総合満足度1位以前に、2018総合満足度1位、2017総合満足度1位、2016秘湯部門満足度1位を獲得している。

その他の部門としては「全国人気温泉地ランキング(これまでに行ったことがある温泉地のうち「もう一度行ってみたい」温泉地)」
1位:箱根温泉(神奈川県)
2位:草津温泉(群馬県)
3位:登別温泉(北海道)
4位:道後温泉(愛媛県)
5位:別府温泉郷(大分県)

「全国あこがれ温泉地ランキング(まだ行ったことはないが、「一度は行ってみたい」温泉地)」
1位:乳頭温泉郷(秋田県)
2位:草津温泉(群馬県)
3位:由布院温泉(大分県)

全国の温泉地が並ぶ中で「満足度」としてランキング入りしたことは、大変に喜ばしい評価であると受け止めている。

慶長12年の開湯伝承から410年経っているが、当時と変わらぬ温泉の給湯方法を継続しており、それが地域を挙げて「すべての温泉浴槽(53浴槽)」が「源泉かけ流し」であるという価値に繋がっているのだと思う。これは江戸時代と何ら変わらず、まさに保存されるべく絶滅危惧種と言って良いのかもしれない。

この温泉水に何も手を加えないという不文律は、開湯当時から療養としての温泉の利用の仕方(湯治)に結び付く考え方であり、経験的また感覚的に温泉の力を落とさない方法が継承されて来ていることにある。これは温泉を供給している源である吾妻山で生業をする者として「山を荒らすな」という先達の口伝にもあるように、温泉を利用させていただくという古くからの山岳信仰にも通じる考えである。

これらを今時代風に解釈すれば、サティスナブル(持続可能な、環境に負荷をかけない)な温泉利用とでも言えようか。本来ならば谷で湧き出た温泉水は、そのまま沢筋(地区内では湯花沢)へ流れ出ていく。その流れ出ていく温泉水を少し迂回させ、浴槽を経由させていただく。温泉水には何も手を加えないので、浴槽に入れた分だけ外に排出され、浴槽の温度管理は注入する湯量で調節する。そのために引湯している湯量と温度により、その施設の厳冬期に営業できる浴槽の体積が決定されるのである。つまり上限まで引湯量を利用している施設は、一つの浴槽を大きくした場合、他の浴槽を小さくしなくてはならない。

それらの温泉使用の方法を理解した方々が、源泉かけ流しの温泉の価値を認め、高湯温泉での入浴がSDGsの一環であると認識した場合、温泉旅行の意味合いが少し違って来るのかもしれない。

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