今回実施した高湯温泉の医学的検証は、ひとつは美容効果、
もうひとつは生活習慣病の予防、防止効果等を探るためのものであった。
検証は“予防医学”が期待できる温泉の有効性を客観的に評価するため、3泊4日の「プチ湯治」と 週に2回以上の入浴を2ヶ月以上続ける「通い湯治」モニター(計46名)を起用し、湯治前後の採血による 白血球中の免疫細胞の増減と、ナチュラルキラー(NK)細胞の活性等を数値化して比較解析した。
検証は“予防医学”が期待できる温泉の有効性を客観的に評価するため、3泊4日の「プチ湯治」と 週に2回以上の入浴を2ヶ月以上続ける「通い湯治」モニター(計46名)を起用し、湯治前後の採血による 白血球中の免疫細胞の増減と、ナチュラルキラー(NK)細胞の活性等を数値化して比較解析した。
高湯温泉はわが国でもトップクラスの酸化還元電位(ORP)の低い、極めて還元力のある美容効果に優れた源泉であることが確認できた。
皮膚の酸化を防ぎ、シミ、シワを抑える抹消血管血流速度も、入浴によって有意に上昇した。
pH2.8の酸性硫黄泉の高湯は、代謝が促進され発汗作用が活発になるため、入浴前後に十分な水分補給が求められる。
また入浴時間も、気分にまかせて長時間の入浴はしないと、昔から長湯への注意が喚起されていた。
若さを保つことは、老化や万病をもたらす体内の活性酸素を、いかに無害化し体外へ排出するかに尽きる。
活性酸素に対する“酸化ストレス防御”を検証するため、血中の活性酸素、
フリーラジカルによる代謝物がもたらす酸化的障害“酸化ストレス度”を分析測定したところ「プチ湯治」、「通い湯治」ともに大幅な改善傾向が見られた。
これによって、高湯での湯治が酸化ストレス代謝物を体外に排出することが確認できた。
この結果は加齢による老化、さらに認知症、介護、寝たきりの抑制につながるものと考えられる。
活性酸素代謝物は高齢者ほど多く、老化は体内の活性酸素代謝物の総量に比例することも示された。
酸化反応をくい止める“抗酸化物質”の測定では、モニターのほぼ全員(約98%)が湯治後、抗酸化力が“最適”という改善結果が得られた。
また、温泉療養による“健康度”の向上、いわゆる“潜在的抗酸化能”を具体的に数値化したd-ROMsテスト値/BAPテスト比では、
「プチ湯治」で約65%、「通い湯治」では約69%ものモニターが従来どおりの食生活にも関わらず潜在的抗酸化能を獲得した。
特に長期の「通い湯治」では約42%のモニターが、湯治前の1.5倍以上の値を示した。
この測定結果からも、高湯温泉は現代医療の薬では難しい“予防医療”としての高い可能性を秘めているといえる。
湯治前後における、白血球中の免疫系細胞の測定では、3泊4日の短期湯治でも免疫細胞が高まることが示された。
2ヶ月間の通い湯治では、この傾向がさらに顕著となった。
T細胞サブセットにおける機能解析では、両モニターともに成熟非活性T細胞が増加し、
免疫系の中枢であるリンパ球活性化の後に見出されるインターロイキン2受容体α鎖を発現している細胞が増え、
免疫機能が活性化したことを示唆するものとなった。
顆粒球は自律神経の交感神経(緊張神経)が優位になると増加し、リンパ球は副交感神経(リラックス神経)が優位になると増加する。
顆粒球の理想的な割合は「顆粒球:リンパ球:マクロファージ=約60%:約35%:約5%」前後とされ、
モニター検証では特に「通い湯治」の女性層において、この理想的な結果が得られた。
湯治を開始すると、生体の諸機能はほぼ7日周期で変動する。
かつてわが国における3〜4週間の湯治期間は、生体リズムのサイクルに即したものであった。
高い抗酸化力を誇る高湯温泉は、このサイクルが短い可能性が考えられる。
今後、高湯におけるエビデンス(科学的根拠)に基づいた短期湯治などの効果的な入浴法が検証されれば、
健康、美容へ関心を持つ短期利用客への信頼性は飛躍的に高まるに違いない。
福島市
モンゴル国立医科大学教授
松田忠徳
東京女子医科大学
公益社団法人 福島県労働保険センター
株式会社 江東微生物研究所
高湯温泉 花月ハイランドホテル
高湯温泉共同浴場 あったか湯
モンゴル国立医科大学教授
松田忠徳
東京女子医科大学
公益社団法人 福島県労働保険センター
株式会社 江東微生物研究所
高湯温泉 花月ハイランドホテル
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